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夢見るひび

粘り強く、情熱的に

ブラッドブラザース感想

こんばんは、りこです。

2月17日、新橋演舞場にて、桐山照史くんと神山智洋くん主演の舞台『ブラッドブラザース』を観劇してきました。その感想を簡単ではありますが記しておこうと思います。

ネタバレがありますので、ご注意ください。

 

 

まず、あの舞台で繰り広げられていたのは、私たちが観せられたのは、桐山照史神山智洋の演技ではありませんでした。ミッキーとエディの人生そのものでした。

照史くんと神山くんの演技と歌が上手いのは知っていたつもりです。スペックの高いジャニーズWESTのなかでもふたりは抜きん出ていろいろなことが得意で、外部の俳優さんといっしょに舞台に出ても遅れを取ることはないだろうと期待していました。でも、それをいい意味で裏切られました。ふたりはきちんと「主役」でした。そういう役を与えられているんだから当たり前だろうと思う方がいるかもしれません。でも、当たり前じゃないと思うんです。ブラッドブラザースは再演舞台で、私は今回のものしか観たことがないんですけど、歴史も物語自体もとても重たいです。他のキャストの方も、ナレーションの真琴つばささんを始め個性豊かで場数を踏んでいてスキルの高いみなさんです。プログラムのそれぞれの方の紹介を見てもわかりますが、舞台で生きてきた人たちです。その中の主演って、きっちり務めあげることはもちろん、雰囲気を自分のものにすることも強く輝くこともきっと難しいと思います。初めての外部舞台の主演で、ひとりきりじゃないにしても緊張や不安や、たくさんの重たいものがふたりの心を覆ったでしょう。それでも、照史くんと神山くんは歌って、声を張って、他の俳優さんたちに負けないくらい笑って泣いて怒って悔しがって照れて震えて輝いていた。ジャニーズじゃないみたい、っていう照史くんの発言があったけど、本当にそのとおりでした。ジャニーズじゃないみたいで、でもジャニーズで、ジャニーズWESTのメンバーで、そんなふたりを私は心の底から誇りに思います。

 

ミッキーとエディの話をします。

この舞台は7歳からふたりが若くして死ぬまでの人生を順々に追っていくお話です。幕間含め3時間という長い上映時間のなかで、ミッキーは変わるひと、エディは変わらないひとだった、というのが私の受けた印象です。

7歳のミッキーは無邪気でやんちゃでいたずら好きです。兄のサミーやほかの兄弟にいじわるをされて憤慨したりもするけど、次の瞬間にはけろっとしているような、明るくて快活な男の子。人生にあるいろんなものが楽しそう。リンダという可愛い友達もいます。そんな男の子が14歳になり、思春期に差し掛かってリンダのことが好きなのに一歩踏み出せずにいます。かっこつけたり、やらしい映画に興奮したり、年相応の毎日を過ごしていて。

エディはと言うと、典型的な箱入り息子。家庭が裕福だからお菓子を分け与えることにも抵抗がなくて、頭が良くて礼儀正しくて純粋。好奇心旺盛で自分の知らないことを教えてくれるミッキーのことが大好き。なんでも楽しそうに、よく笑う男の子。14歳になったら男子校にかよっているからかミッキーよりもちょっと思春期をこじらせていて、女の子に興味津々の様子。

ここまではミッキーとエディの違いって家が裕福であるかどうかしかないんですよね。ふたりとも、まっすぐで健やかな男の子。母親が悪魔や迷信におびえていることも知らず、ふたりが出てくる場面では明るい音楽や歌詞が並ぶ。それが一気に崩れるのはミッキーが就職して、エディが大学に入ったあたりでしょうか。エディは何も変わらないんです。まっすぐなところも、ミッキー大好きなところも、リンダを好きなところも、そのリンダがミッキーしか見てないってわかってるところも。でもそれは変わる必要がなかったってだけで、ミッキーだって好きで変わったわけじゃない。変わったって言ってもお金に振り回されて荒んでいただけで、まっすぐでやさしい根っこの方は変わっていないから、サミーが人を殺したときにあんなに慌てて心を壊してしまった。エディがミッキーにあげるものはお菓子から煙草に変わって、お金に変わって、家と職になった。でもエディの気持ちは変わらないまま。自分が持て余しているものを大好きなひとにも分けているだけ。それがすごく切なくて、苦しくて、痛々しくて、愛おしかった。

ふたりは死んでしまったけれど、もし生まれ変わることがあったら次はなんの格差も障害もないただの親友になってくれればいいなってそう思います。

 

 

照史くん。ミッキーの明るさと転落の仕方をその身ひとつで全力で表現していて、観ていてとてもつらかったです。笑顔がなくなっていくのも、目つきが鋭くなっていくのも、歩き方や語気が変わっていくのも。強さと弱さの両方を緩急つけて生々しく演じることのできる力は武器だと思います。

神山くん。最初エディが出てきたとき、誰だかわからないくらい神山智洋を消していましたね。役のキャラクターを自分のものにするというより役に自分を受け渡している感じがして、ぞくっとしました。少し大げさにしないと伝わらない舞台上で、神山くんの演技はとても映えます。

私はジャニーズ事務所に所属するアイドルであるふたりを好きになったわけだけど、歌も演技も抜群にうまくて舞台映えするふたりだから役者として出会っていたとしても好きになっただろうなって思う。だからこそ、今ふたりがアイドルとして生きている現実に感謝してます。本当にふたりのファンでよかった。

新橋公演のあとは大阪松竹座の公演もあるしまだ先は長いけれど、ふたりとカンパニーの皆さんが怪我なく千秋楽を迎えることができますように。照史くんと神山くんが最後の公演を終えたあと満足そうに笑っていますように。そして、ジャニーズWESTのメンバーを含めできるだけたくさんの人がこの舞台を観てくれますように。ただただそれを願っています。